飛行老人の飛行機話

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カテゴリ: 昔の写真、羽田


今日はエルテン独特のアンダーギャレー。
L1011は客室のスペースを最大限に活用する為に通常は機体前後や中央にあるギャレー設備を床下に配置した。離陸後専任のCA、たいていは新人がL2ドアーとR2ドアーの中間にあるリフトで下へ降りて作業、着陸前には定位置へ戻るという寸法である。

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アンダーギャレーでセットしたサービスカートをリフトで上へ上げ、サービス終了後は降ろして固定する。
従って機内サービス時以外は客室内にカートが無い為、カートが機内を走るという事態が避けられる。
設計当初はラウンジにという提案もあったようだが実現したという話は聞かなかった。
リフトから後方を見る。

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後方から前方を見る。

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右側にあるサービスドアー、今気が付いたが空撮用の窓にできたはずだが後の祭り。

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アンダーギャレーにまつわるエピソード。
ここには作業中にタービュランス等でシートベルトサインが点灯した場合に備えてリフト横にジャンプシートが装備されている。昔、最終便で伊丹から羽田へ帰るDHのCAが1人だけ客室からあふれてしまったが、誰かがアンダーギャレーにシートが有る事に気が付き定員外で便乗した事があった。ここのシートは緊急着陸した際に危険な為使用は禁止されている。勿論機長も知らないし、運行管理者もね。万が一墜落事故が起こったら身元不明者が1名という事で大騒ぎになったろうが当該便は無事羽田に着いている。めでたしめでたし。











外部は終わって、客室内へ。
通常使用するL1、左側前方入り口、それまでの機種と違って電動式で上方内側にスライドする。閉まるときは最下方まで下りてから開口部周辺に押し出すような形で気密性を高める。左上の赤いT字型が外側からの開閉装置。ドア上左角には経年変化でひびが入ったのか4枚ものパッチがあたっている。

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L1を入った所にあるパーテッション、サービスカーとは置けるがギャレー設備は無い。
黄色いのは非常用フラッシュライト、乗務員が携帯を忘れた時は点検に使っていたらしい。
下の緑色の筒状は携帯用酸素ボトル。

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内側から見た突き当りのR1ドアー、下方の膨らみは脱出用シュート、ボーイングに比べるとスマートだ。

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内側から見たL2ドアー。

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ゾーン1。

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ゾーン3。

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トイレ最前方左右に2か所、最後方にまとめて5か所あった。

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今日はエルテンの名称で呼ばれたL-1011”トライスター”
日本ではA社が採用しただけで、東アジアではキャセイ航空だけでライバルのDC-10に比べると見る機会は少なかった。A社の採用でも最初はDC-10だったのがL-1011になったとの疑惑で色々あったが遠い昔の話になってしまった。
機体はアメリカ製だがエンジンは英国の老舗エンジンメーカー、ロールスロイス。3スプールエンジンという新技術を採用したが初めての大型ターボファンで開発に苦労したようだ。3スプールの為エンジンスタートからスタビライズする迄時間がかかりまたその間不完全燃焼ガスが発生するのが難点だった。寒冷時には白い煙状のガスが排出する姿が良く見られた。
又エンジンオイルのケーシングに亀裂が出来て飛行中3発のうち2発停止という事態も2度ほど発生している。
幸い2度ともクルーの腕が良かったのか無事に着陸している。

そんなL-1011の細部を撮った写真があったのでスキャンした。
操縦席正面パネル、同じロッキード社のC-141やC-5によく似ている。

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右向きに配置された航空機関士席、システムの進化によりB747-400から後の機体では廃止されてしまった。

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右、NO.3エンジン。

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機首右側面、TATセンサー、ピトー管、ACMエアインレット。

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ACMアウトレット。

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ノーズランディングギア。

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タンデムのメインギアー。

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C2,C3カーゴドアー。

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KTさん、間違いがあったら教えてね。







友人のブログにB747の五発エンジンが出てきたのでアルバムを探したら、L-1011の四発エンジンが見つかった。ネガカラープリントをスキャンしたので見苦しいのはご容赦願いたい。
1989年12月15日、記憶が定かではないが熊本行き初便、641便だったと思う。
前日に現地でエンジントラブルが有り、急遽エンジン交換の為夜中にフェリー用のエンジンが装着された。
確か1年に2~3回ぐらいしかチャンスが無かったと思うが撮れた回数は少ない。
この後のB-767やB747-400等はカーゴルームに入るようにエンジン本体がモジュールで分解して搭載できるようになり、又B747Fなどで運べるようになったのでアタッチメントを付けることは無くなった。
なおこの機体はJA8508だがJA8509にも同じアタッチメントがあった。

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フェリーエンジンは空転しないようにコアにはメクラ、ファンは固定金具で固定されている。

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 昨日のBー727のついでに取り込んであった同じ日の羽田空港。
当時のローカル線の主役だったF-27、エンジン始動には電源車が必要だった。
時には蓄電池を積んだバッテリーカーも使用された、電源は直流。

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 この頃から姿を見せ始めたF-27のモヒカン塗装。

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 J社のB-727、こちらも鶴丸の新塗装機が増えていた。

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 DC-8-62、こちらは国際線エリア、奥に新旧両方の塗装のB-727が見える。この頃はフィンガーデッキと呼ばれる送迎兼見物エリアがエプロン沿いに有り飛行機マニアには嬉しい存在だった、時代は移り変わりテロ対策の名目で撮影環境は非常に悪くなってしまったのが残念だ。

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